松葉蟹プランのお約束
先日お越しいただいたお客さまが、持ってきたものがこちら。

東京の蟹料理の名店「きた福」さんで食べた松葉蟹が隠岐の島のもので、そのときのタグを持ってきたとのことでした。
「もしや!」と思って裏を見ると。

やっぱり!冨喜丸さんだ!
フキマルさんは、新屋敷がいつもお世話になっているお魚屋さん「海鮮隠岐の島」さんの船のお名前。
次は冬に蟹コースを食べに来ますとお約束くださり、その際には最も新鮮な隠岐での松葉蟹を冨喜丸さんでご用意させていただこうと今から意気込んでいるのでした。
隠岐の島は、松葉蟹の漁場として素晴らしいところでありながら、島内は冬がオフシーズンということもあって、蟹を目玉にしたプランを持っているお店がほぼ無いと言って良い状況です。
そんな隠岐の松葉蟹を、冬にこの島に訪れていただける理由にできれば、などと思いつつ打ち立てたのが当宿の蟹プラン。

新屋敷の蟹コースといえば、コッペ(親ガニ)と甲殻類グァツェットのパスタ。
一人前に蟹一杯、内子も外子も全てまるっと使った、香箱ガニのイタリアバージョンとでも言いましょうか。

そしてメインでは蒸し焼きガニを。
シンプルに柑橘を絞って、特製のソースをつけて、と味変を加えながら、心ゆくまで蟹をお楽しみいただくことがコンセプトです。
隠岐に移住して、どちらかというとタラバガニ派だった私の、ズワイ蟹に対する概念はひっくり返りました。
蟹も新鮮であるほどに美味しいのです。
この島に移住して10余年、寂しく長い冬の孤島を乗り切るには、未だに蟹のパワーが必要です。
ちなみに息子の通っていた保育所では、冬になるとおやつに茹でガニが出ていたそうです。まさに蟹の島。

蟹だけではなく、冬場はたっぷり脂ののったブリやナマコに摘みたて岩海苔など、食材の宝庫。
冬の隠岐の魅力を惹き出せるよう、我々の試行錯誤は続きます。